猶予される中小企業とは
1か月60時間を超える時間外労働が50%の法定割増賃金率を猶予される中小企業とは、どのような企業でしょうか。
特に長い時間外労働を抑制することを目的として、労働基準法第37条第1項ただし書において、1か月について60時間を超える時間外労働について、法定割増賃金率を5割以上の率に引き上げることとされています。しかしながら、経営体力が必ずしも強くない中小企業においては、時間外労働抑制のための業務処理体制の見直し、新規雇入れ、省力化投資等の速やかな対応が困難であり、やむを得ず時間外労働を行わせた場合の経済的負担も大きいものです。
このため、労働基準法第138条において、同条に規定する中小事業主の事業については、当分の間、法定割増賃金率の引上げの適用を猶予することとされています。これに伴い、労働基準法第37条第3項の規定による代替休暇も適用されないこととなります。
なお、改正法附則第3条第1項において、政府は、改正法の施行後3年を経過した場合において、中小事業主に対する猶予措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされています。
猶予される中小企業の範囲
中小企業に該当するか否かは、次のように「資本金の額または出資の総額」と「常時使用する労働者の数」で判断されます。 そして、事業場単位ではなく、企業単位で判断されます。
| 業種 | 資本金の額または出資の総額 | または | 常時使用する労働者数 |
| 小売業 | 5,000万以下 | または | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万以下 | または | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | または | 100人以下 |
| その他 | 3億円以下 | または | 300人以下 |
なお、上記の業種分類の詳細は、次の日本標準産業分類によるとされています。
業種 |
日本標準産業分類(第12回改定(平成20年4月1日施行)に基づく)
|
|---|---|
小売業 |
大分類I(卸売業、小売業)のうち
中分類56(各種商品小売業) 中分類57(織物・衣服・身の回り品小売業) 中分類58(飲食料品小売業) 中分類59(機械器具小売業) 中分類60(その他の小売業) 中分類61(無店舗小売業) 大分類M(宿泊業、飲食サービス業)のうち
中分類76(飲食店) 中分類77(持ち帰り・配達飲食サービス業) |
サービス業 |
大分類G(情報通信業)のうち
中分類38(放送業) 中分類39(情報サービス業) 小分類411(映像情報制作・配給業) 小分類412(音声情報制作業) 小分類415(広告制作業) 小分類416(映像・音声・文字情報制作に附帯するサービス業) 大分類K(不動産業、物品賃貸業)のうち
小分類693(駐車場業) 中分類70(物品賃貸業) 大分類L(学術研究、専門・技術サービス業)
大分類M(宿泊業、飲食サービス業)のうち
中分類75(宿泊業) 大分類N(生活関連サービス業、娯楽業)ただし、小分類791(旅行業)は除く
大分類O(教育、学習支援業)
大分類P(医療、福祉)
大分類Q(複合サービス業)
大分類R(サービス業<他に分類されないもの>)
|
卸売業 |
大分類I(卸売業、小売業)のうち
中分類50(各種商品卸売業) 中分類51(繊維、衣服等卸売業) 中分類52(飲食料品卸売業) 中分類53(建築材料、鉱物・金属材料等卸売業) 中分類54(機械器具卸売業) 中分類55(その他の卸売業) |
その他 |
上記以外のすべて
|

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